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荻窪調査日記


Episode7:荻窪散歩の楽しみ方について

荻窪散歩の楽しみ方について
今回は、荻窪をブラブラ散歩する際の楽しみ方についての話題です。


「荻窪はいまの軽井沢のような別荘地だった」。
東京新聞の連載、「東京沿線ものがたり」に、かつて掲載された一文です。

善福寺川を望む高台からは水田、松林、そして富士山を望むという好立地に加え、東京近郊でありならが清凉な空気が感じられるということで、急速な工業化により環境悪化が進む都心から逃れるように、裕福で意識の高い人々が次々に別荘を設けていったのが、荻窪の別荘地としての始まりです。

さらに、1923年(大正12年)9月1日、関東大震災が起こり、都心が深刻な住宅不足に陥るとともに、大震災の甚大な被害で脆弱な地盤の危険性が広く認知されました。
一方で、盤石な武蔵野台地の端に位置する荻窪では、家屋の倒壊被害が少なかったという事実から、「東京近郊で地盤がしっかりしていて、空気もキレイで震災に強い、別荘地としても有名な荻窪」に注目が集まりました。
そして、荻窪では宅地開発が加速され、「荻窪か鎌倉か」と言われるほどの文化的な雰囲気が急速に醸成されていきました。

軽井沢のような別荘地から、鎌倉のような文化的な雰囲気へと移行する中で、荻窪は全国的にも知名度が上がり、著名な文化人が数多く移り住み、別荘地から転じての高級住宅地としての地位を不動のものとしていきました。

現在では宅地化が極限まで進み、「かつては軽井沢のような別荘地だった」と言われてもピンと来ないくらい、隙間なくどこまでも住宅が建ち並ぶ荻窪ですが、その一軒一軒が一億円前後の費用をかけて建てられた事実を想うと視点が変わり、まるで広大な「リアル高級住宅展示場」であるかのような感覚に変わります。
そして、「高級住宅の一軒一軒を見て楽しむ」という視点を持つと、荻窪散歩は俄然面白くなります。
次々と出現する趣向を凝らした住宅と庭先にある高級車を見ながら、「この洒落た家を建てるには幾らの費用がかかったのだろう」とか「こんな家に住みたい」とか、想像しながら歩くだけでも、何だかワクワクしてきます。
そしてきっと散歩を続けるうちに、「世の中にはこんなにもお金を持っている人が多いのか」と、心底感心してしまうことでしょう。

そんな高級住宅が建ち並ぶ荻窪には、眼福を感じるようなとびきりの名建築も、街の風景にさり気なく溶け込んでいたりします。
そこでこのコラムの締めとして、荻窪にある名建築の幾つかをピックアップしてご紹介したいと思います。

①三菱東京UFJ銀行 荻窪支店

世界的に有名な建築家である安藤忠雄氏が設計した建築物が、荻窪駅前にあります。
総額20億円をかけてリニューアルされた建物で、大きな窓からは明るい自然光が差し込み、深夜電力で作った氷を昼間に溶かしながら冷房する「氷蓄熱空調システム」も備えられているというハイテクな建物です。
荻窪駅の前にある建物ですので、知っていれば駅のホームに居ながらでも、気軽に安藤忠雄氏の建築を見て楽しむことができるのが良いところです。

②杉並区立中央図書館

世界的に有名な建築家、黒川紀章氏が設計した図書館です。
国立新美術館などの巨大な建築物と比べればコンパクトですが、知る人ぞ知る隠れた名作と言われる建築物です。
図書館ですので、誰でも気軽に内部に入り、黒川紀章氏の世界観を存分に堪能することができるのが良いところです。

③NTT荻窪ビル

1階にイオンの「まいばすけっと」が入っているビルで、何度も横を通っていますが、コチラも実は有名な建築家、山田守氏の設計によるものでした。
日本武道館や御茶ノ水駅の横にある聖橋、京都タワービルなどの設計を手掛けた名建築家で、曲線や曲面を用いた建築物を得意としていました。
そう言われてみれば、この建物も曲面で構成されていますが、まさかそれほど有名な建築家が手掛けた建物であったとは露知らず、驚きました。

④杉並会館

アニメーションミュージアムが入っているビルです。
外観はいかにもモダンで何かありそうな雰囲気。
設計は東京芸術劇場や駒沢オリンピック公園総合運動場体育館などの設計で知られる芦原義信氏。
日本建築学会会長も務めた、日本建築会のまさに大御所による建築作品です。

⑤荻窪りとるぱんぷきんず

UR都市機構の団地再生事業に伴って生まれた敷地内に建つ保育園です。
散歩していて「このお洒落な建物は何?」と思って確認したら、保育園だったので、本当にビックリしました。
保育園と言えば、木を使って建てられた可愛いデザインの建物などを思い浮かべますが、こちらは、「上質なデザインに子供のころから触れる」という教育思想のもと、超お洒落な空間が生み出されています。
設計はツチヤタケシ建築事務所さんで、私は割と好きな建築だなと感じました。

荻窪の街には、上記のような建築家たちの作品とも言える公共の建築物とともに、個人の想いが詰まった色とりどりな高級住宅が建ち並んでいます。
そういった建物を「見て楽しみながら巡る」荻窪散歩。
この楽しみ方を知ったら、荻窪散歩がヤミツキになること、間違いありませんよ~。



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